繋ぐ手

少子高齢化と経済の停滞、赤字国債による借金など、現在の日本が抱えている問題は多岐に渡りますが、そのどれもが密接に関係していることをご存知でしょうか。
これらの諸問題を結びつけているのは日本人の結婚事情です。
現在では晩婚化が進んできており、これが原因で出生率が低下、また少子高齢化も促されてしまっています。
以前ならば30歳まで独身だと周囲の人々から心配されるほど問題視されていましたが、最近ではそういった考え方はアナクロになってしまいました。

平均初婚年齢

バブルの絶頂期に該当する1990年の平均初婚年齢は男性が28.4歳、女性が25.9歳でした。
それから15年経って2005年になると晩婚化は進み、男性が29.6歳、女性が27.8歳になりました。
たった15年で男性はおよそ1歳、女性はおよそ2歳もの晩婚化が進んでいることになります。

1歳や2歳程度ならばそれほど気にならない程度なのでは、と思う人もいるかもしれませんが、晩婚化が進むスピードとしてはとても速いペースです。
戦後の1960年には女性の平均初婚年齢は24.4歳でしたので、その頃と比較すると3.4歳進んでいることになりますが、この3.4歳の内の2歳がたった15年で進んでいるわけですので、異常と言っても過言では無い程なのです。

最近ではこのスピードが更に加速しているという報告も出てきています。
30歳を過ぎてもなお未婚の人は増えてきていますので、もしも結婚できるかどうかが不安で焦っている人がいたら、安心してください。
まだまだ間に合います。

なぜ晩婚化が進んでいるのか

それではなぜ晩婚化が進んできているのでしょうか。
その原因は女性の社会進出が一因と考えられます。

戦後間もない頃は、女性は家事と育児を担当し、男性は働いてお金を稼ぐという考え方が一般的でした。
しかしその考え方は徐々に変化していくことになります。
家電の発展によって家事をする時間が大幅に減少した女性は、その空いた時間で仕事をするようになっていきました。
このように女性が社会進出をしていくことによって、男性の考え方も変化していったのです。

現在では、女性も仕事をすることが当たり前になってきています。
中には女性も男性のように仕事を生きがいにするケースもあり、これが晩婚化の原因になっているのです。

また、人生に対する考え方が変化してきていることも晩婚化につながっていると言えるでしょう。
愛する人と一緒に暮らす、という考え方はもはや全時代的と言っても良いでしょう。
最近では平日には熱心に仕事をし、休日には思う存分遊ぶという女性も増えてきています。

そうして晩婚化が進んでいってしまっているというわけです。
この新しい考え方は、決して悪いというわけではありません。
個人には個人の価値観がありますので、本人が幸せならばそれだけで良いのです。